💡はじめに
柔術では「力を強く出す」よりも、「相手に正しく伝える」ことが大切です。
同じ力でも、腕の角度・脇の締め方・拳の角度・指の位置を意識するだけで、
技の効きやコントロール力が大きく変わります。
今回は、初心者から上級者まで役立つ「力の伝え方」の基本を解説します。
🦾1. 腕の角度で力の“線”を作る
腕の角度は、力の方向を決める最重要ポイント。
- 肘を開かず、脇を締めることで力が逃げず、相手にまっすぐ伝わる。
- 前腕を相手の体に“面”で当てることで、安定した圧をかけられる。
- 肘が外を向くと力が分散し、相手に伝わりにくくなる。
👉 意識ポイント:肘を体の中心線に寄せること。
🫱2. 脇を締めて「引く力」を最大化
脇を締めることで、腕ではなく**背中(広背筋・肩甲骨)**を使えるようになります。
これにより、腕力に頼らず“引く力”を強く・長く維持できます。
- 脇を開く=力が逃げる
- 脇を締める=肩甲骨が連動して背中で引ける
💡ドリル例:
帯やラペルを持って脇を締め、肩甲骨を寄せながら10秒キープ → ゆっくり引く。
👊3. 拳の角度で“押す力”を安定させる
押すときは拳の角度が非常に重要。
- 拳の小指側をやや上にすると、前腕から肩にかけて力が一直線に伝わる。
- 親指を上にして押すと手首が不安定になりやすい。
💡小指側を上げる=肩甲骨と連動しやすく、力が逃げにくい。
✋4. 指の位置で力を“逃さない”
握る位置は指先よりも「指の根元」を意識。
- 襟や袖を握る時、小指側で支えると安定感が増す。
- 指先だけで握ると、簡単に外されたり疲れやすい。
🦴5. 肩甲骨から動かすと全身が連動する
柔術の“押す・引く”動作は、腕ではなく肩甲骨から始まると考えましょう。
- 引く:肩甲骨を寄せて背中で引く
- 押す:肩甲骨を下げながら胸で押す
💡力を出す時に肩がすくむ人は、肩甲骨の動きを意識するだけで劇的に変わります。
🧠まとめ
柔術の力は「角度」と「連動」で決まる。
- 腕の角度 → 力の方向を作る
- 脇を締める → 背中と繋げる
- 拳の角度 → 安定した押しを作る
- 指の位置 → 力を逃さない
- 肩甲骨 → 全身を使う起点
正しい角度と意識で、**力任せではない“伝わる柔術”**を身につけましょう。



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