崩し(Kuzushi)とは?
柔術における「崩し」とは、相手の重心を土台(ベース)からズラすことです。
立技では柔道と同じ崩しがあります。
八方崩しです。

どんなに強い技でも、相手のバランスが安定している状態では決まりにくいもの。逆に、ほんの少しでも重心をずらせば、力を使わずに技がかかりやすくなります。
この「崩し」をつくる代表的な方法が 押す・引く です。
押す・引くの基本原理
- 押す → 相手は引き戻す
- 引く → 相手は前に出る
人間は自然にバランスを取ろうと反応します。この反応を利用して逆を突くと、最小限の力で相手を大きく崩せます。
さらに「真っ直ぐ前後」だけでなく、斜めや横方向に押す・引くと、相手は立て直しにくくなります。
柔術についての崩し
デラヒーバガードの崩し

デラヒーバガードは、相手の片足に自分の足を外側から絡めてフックするガードです。
- 足で“押す”:デラヒーバフックの足を伸ばし、フックをしていない足で相手の骨盤を押す。※フックしている足は相手の骨盤に引っ掛けること。フックが掛けづらい場合は相手の横からフックをすると相手の骨盤に掛かります。
- 手で“引く”:同時に、袖や襟を自分の方に引き込む。
👉 こうすると、シンプルなスイープ(横倒しやベリンボロ)につながります。
ポイントは相手の膝を内側に絞りフックしていない足で押し流すイメージ。
ラッソーガードの崩し

ラッソーは、相手の腕に自分の足を巻き付けるガードです。
- ラッソー足で“引く”:相手の腕を絡め、自分の方に引きつける。
- 逆足で“押す”:もう一方の足を相手の肘、腰、肩に当てて押し出す。
👉 「押す・引く」を同時にすることで、相手の肩と腰のラインがズレ、バランスが崩れます。そのまま三角絞めやオモプラッタにつなげやすくなります。
よくある初心者のミス
- 腕だけで引っ張る → すぐに疲れてしまう
- 真っ直ぐに押すだけ → 相手は簡単に耐える
- 足と手がバラバラ → 崩しが弱くなる
👉 押すと引くをセットで逆方向に作ることが大切です。
まとめ
柔術のテクニックを決めるためには、まず「崩し」が必要です。
- 押すと引くのリズムで相手を揺らす
- デラヒーバでは足で押し、手で引く
- ラッソーではラッソー足で引き、もう片方の足で押す
この原理を理解して使うことで、力に頼らず効率的に相手を崩せるようになります。
初心者の方は、次の練習で「まず崩す」ことを意識してみてください。技の決まりやすさが格段に変わるはずです。


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